バッハの名曲をピアノ・トリオでのジャズ・アレンジで聴かせ、バロック旋律をモチーフにして鮮烈なモダン・ジャズを創り上げ、世界的なセンセーションを巻き起こした先駆的ピアニスト=ジャック・ルーシェ。生誕75周年、名作『プレイ・バッハ』のレコーディング50周年を記念し、6年ぶりの来日公演を行う。ジャック・ルーシェは、1934年にフランス西部のアンジェで生まれ、15歳でパリ音楽院に入学、イーヴ・ナットに師事。学校を中退後、ジャズに魅せられ、ジャクリーヌ・フランソワやシャルル・アズナヴール等の伴奏を務める。その後、バッハ作品をジャズの表現の中に生かそうというアイデアのもと、''59年に初の『プレイ・バッハ』発表。バッハの曲の本質を失わせることなく彼のジャズ・フィーリングが加わり、新たな旋律として現代に蘇らせることに成功。そして、''60年代半ばにジャック・ルーシェ・トリオを結成。世界中でプレイする傍ら、映画音楽プロデュースなど活躍の場を広げるが、''74年に病に倒れ以後10年間はトリオの演奏活動を休止し、自身の創作活動に力を注いできた。しかし、バッハ生誕300周年を翌年に控えた''84年、ジャズ~クラシック・ファンからのあつい想いに応え復活を果たし、復活作『デジタル・プレイ・バッハ』は現在も高い人気を得ている。近年では、ヴィヴァルディやサティ、ラヴェルなどの作品を発表し、新たなジャズの世界を繰り広げている。完全なピアノ技巧が織りなす、クラシックの気品とジャズの感性から生みだされる不朽の名作を心ゆくまで味わいたい。
>>Jacques Loussier (Official Site)DISCOGRAPHY
『プレイ・バッハ 50thアニバーサリー・レコーディング』
(ユニバーサル ミュージック)