CÉCILE McLORIN SALVANT DUO featuring SULLIVAN FORTNER

本公演の推薦コメントをいただきました。

＜和田博巳 (オーディオビジュアル評論家)＞(更新日：2023 6.5)
セシル・マクロリン・サルヴァントの最新アルバム『Mélusine』のジャンルに囚われない豊かな音楽性には驚嘆する。ハイチ人の父とフランス人の母の元、カリブ海に面するマイアミに生まれたことも影響しているのだろう。彼女の多彩な音楽性とヴォーカル・スタイルは、現在のアフロ・カリビアン・ミュージックを豊かに反映するＵＫジャズ・シーンとも見事に呼応する。グラミー賞ベスト・ジャズ・ヴォーカル・アルバム部門での３度の受賞は彼女の大きな勲章であるが、彼女は、コンテンポラリー・ジャズ・ヴォーカリストの最高峰と言えて、世界が今最も注目するヴォーカリストの筆頭格だ。現代のあらゆるジャズ・ヴォーカリストの中でも、傑出した相当にミステリアスな個性の持ち主。ジャズ・スタンダードのみならず、自身のオリジナル曲に、歴史的視点や伝承や、新たなドラマ的要素に聡明な音楽理解を付け加えて、個性溢れる表現力とパフォーマンスで世界を魅了し続ける真のアーティストだ。2022年発表のノン・サッチ移籍第一弾作品『Ghost Song』はグラミー賞2部門にノミネートされ、New York Times紙をはじめとする様々なメディアで2022年のベスト・アルバムとして選出された。そのアルバムで息の合った素晴らしい対話を聴かせたピアニスト、サリヴァン・フォートナーとのデュオがついに体験できることが、今から待ち遠しくてならない。

＜挾間美帆 (ジャズ作曲家)＞(更新日：2023 6.12)
ステージ上で演奏中に感極まることは滅多にないのですが、その機会を連発するとんでもない才能が現れました。セシルのずばぬけた表現力、心に染み入る音楽、そしてずっと聴いていたいと思わせるほどストンとして美しい声色があなたを不思議な音の世界へいざないます。さらに、彼女をサポートするピアニスト、サリヴァンの類稀なイマジネーションが、サポートという言葉を超えた世界を演出。絶対に目撃せねばならない音楽体験となることでしょう。