GRAND SEIKO PRESENTS
SADAO WATANABE Vamos Juntos
ブラジルからミュージシャンを迎え繰り広げるプレミアムライブ
当時、貞夫さんは傾倒していたビバップに比べて、ボサノヴァに対しては少しダルで物足りない印象を抱いていたようだが、ゲイリーのツアーでサンフランシスコ滞在中に、やはり演奏ツアー滞在中の〈セルジオ・メンデス65〉のバンド・メンバーらと出会い、お互いの演奏を聴きに行くなどの交流によって、ブラジル独特のリズムやメロディに興味を持ちブラジリアン・ミュージックの虜になった。特にサウダーヂが感じられる歌に魅力を感じ、そのツアーで滞在したホテルの部屋では良くジョビンのレコードを聴きながら過ごしたという。
初めてブラジルを訪れたのは日本に帰国後の1968年、単身でニューポート・ジャズ・フェスティバルに出演した帰路に立ち寄ったサンパウロだった。ブラジルのミュージシャンらとアルバム『ブラジルの渡辺貞夫』をレコーディングし、滞在中は小野リサさんのお父さんが経営する〈クラブ一番〉で3週間に亘り毎晩30〜40人のミュージシャンらと夜中の3時頃までセッションを繰り広げたという。その滞在中に知り合ったブラジルの人々の朗らかで無垢な人間性、情景などがブラジル音楽の原体験となったようだ。
貞夫さんの音には歌が聞こえる。背景にあるのは現地の人々との交流によって感じられた哀愁や歓喜であり、美しい自然の風景や情景である。その土地で生まれた心の歌を貞夫さんは優れた感性や演奏力によって、聴衆の心に届く自身の歌として昇華させている。今年のコンサートで共演するのは2012〜13年にサンパウロでレコーディングしたアルバム『オウトラ・ヴェス~ふたたび~』でも共演したミュージシャン達、ファビオ・トーレス(p)、スワミJr.(g)、セルソ・ヂ・アルメイダ(ds)やブラジリアン・ミュージックに造詣が深いコモブチ・キイチロウ(b)。半世紀以上に亘りブラジル音楽を愛し、演奏し続けた貞夫さんの美しくも優しいメロディをブラジル独特のグルーヴとジャジーなサウンドで奏でる、ブラジルの郷愁、情景が感じられるコンサートとなるだろう。
なお、2015年にはブラジル政府は渡辺貞夫がブラジル音楽を永年に亘り日本に広めた功績を称え、ブラジルの最高勲章のひとつである〈リオブランコ国家勲章〉を贈っている。
(城野純郎)
TITLE
GRAND SEIKO PRESENTS
SADAO WATANABE Vamos Juntos
DATE & SHOWTIMES
MEMBER
ファビオ・トーレス (p)
スワミJr. (g)
コモブチ キイチロウ (b)
セルソ・ヂ・アルメイダ (ds)
CHARGE/料金
- [自由席] テーブル席 : ¥15,000
-
[指定席]
BOX A (4名席) : ¥17,000
BOX B (2名席) : ¥16,500
BOX S (2名席) : ¥16,500
SEAT C (2名席) : ¥16,000
<INFORMATION/お知らせ>
★全席食事付(スペシャル・ディナーコース)/ウェルカムドリンク付(税込)
【スペシャル・ディナーコース】アミューズ・前菜・メイン(肉料理)・デザート
※アレルギーなど召し上がれない食材がございましたら、
ご予約時にお知らせください。
※自由席はテーブル席(アリーナ、サイド)内で、ご来店順にご案内いたします。
※指定席はボックス(表示人数)単位でのご予約となります。
BOX B は4名様までお座りいただけます。
※開演60分前までのご来場をお勧めいたします。
DISCOGRAPHY/ディスコグラフィ
『リバップ』
(ビクターエンタテインメント)
『プレイズ・バッハ』
(ビクターエンタテインメント)
『ナチュラリー』
(ビクターエンタテインメント)
『オウトラ・ヴェス~ふたたび~』
(ビクターエンタテインメント)
- [ プロデュース ] 渡辺貞夫
- [ 協賛 ] セイコーホールディングス/セイコーウオッチ
- [ 主催 ] TOKYO FM
- [ 協力 ] ビクターエンタテインメント、COTTON CLUB
- [ 企画制作 ] M&M STUDIO
<メンバープロフィール/ Member Profile>
渡辺 貞夫 / Sadao Watanabe (sax)
1933年宇都宮生まれ。高校卒業後に上京、秋吉敏子のコージー・カルテットをはじめ数々のバンドに参加。バークリー音楽大学への留学等を経て、日本を代表するトップミュージシャンとして、ジャズの枠に留まらない独自のスタイルで世界を舞台に活躍。2005年“愛知万博”では世界中から集まった子供達400人と、国境や文化を越えた歌とリズムの共演という長年の夢を実現させ、それらの活動は海外へ広がる。近年は国立音楽大学の招聘教授として次世代の育成にも力を注いでいる。2017年10月、NY録音のジャズアルバム『Re-Bop』、バッハのスペシャリストとして名高い小林道夫氏(pf)と2000年に共演したサントリーホールでのライヴ盤『Plays Bach』を同時に発表。国内のみならず、海外に於いても精力的に演奏活動を行う生涯現役プレイヤーのその姿は、世界中の老若男女に勇気と感動を与えている。
ファビオ・トーレス / Fabio Torres (p)
1971年サンパウロ生まれ。5歳の頃から音楽を学び始め、1990年クラシック・ピアノ科を卒業後プロの道へ。アナ・ヂ・オランダ、ヴァニア・バストス等ブラジル・ポップス界のアーティストを数多くサポート。2001年、自己のジャズ・バンド「トリオ・コヘンチ」を結成し2枚の作品を発表。現在は国外のミュージシャンとの共演も多い。
スワミJr. / Swami Junior (g)
1958年サンパウロ生まれ。1972年から6年間サンパウロの音楽学校で学ぶ。シコ・セザールと10年間活動を共にし、その後マリア・ベターニア、ルシアーナ・ソウザ等と共演。2008年キューバの歌姫オマーラ・ポルトゥオンドのアルバム「グラシアス」で音楽監督を務め、翌年グラミー賞のラテン部門で受賞。ブラジル音楽界に欠かせぬアーティストである。
コモブチ キイチロウ / Kiichiro Komobuchi (b)
1966年生まれ。15歳の時にチョッパーベースのルイス・ジョンソンの演奏に感動しベースを始める。ライブハウスを中心にセッション活動を開始。90年代にブラジル音楽に傾倒し、ロベルト・メネスカルとの出会いを機にボサノヴァ生誕40周年コンサート<Gets Bossa Nova>に出演。“サンバの力強いグルーブ”を信条に掲げ、様々なバンドで活動を展開。2008年より渡辺貞夫グループに参加。
セルソ・ヂ・アルメイダ / Celso de Almeida (ds)
1960年ツパン(サンパウロ)生まれ。10歳から地元のバンドで演奏を始める。80年代から本格的な音楽活動をスタートさせ、女性ボサノヴァ歌手の第一人者ホーザ・パッソスのドラマーとして活躍。又ガル・コスタ、ジルベルト・ジル等著名なアーティストと共演。2016年イリアーヌ・イリアスのアルバムに参加し、グラミー賞ラテン部門で受賞。