マルグリュー・ミラーin COTTON CLUB
◆私は
マルグリュー・ミラーのプレーを観戦するのは今回で2度目だが
初遭遇は
2006年11月4日
Lewis Nash & Be-Bop Great All Stars
Featuring Frank Wess
富士通コンコード ジャズ フェスティバル in 東京TUC だった。
二列目の席でただでさえ巨漢のマルグリュー・ミラーの登場から
圧巻でその風体からのインパクトに息を呑むといった印象だった。
たしかあの時は
Lewis Nash:ルイス・ナッシュ(ds)
Terell Stafford:テレル・スタフォード(trp)
Jesse Davis:ジェシー・デイビス(as)
Peter Washington:ピーター・ワシントン(b)
Mulgrew Miller:マルグリュー・ミラー(pf)
というアート・ブレイキーさんの
ジャズメッセンジャーズを再現するようなメンバーに加え
Featuring
Frank Wess:フランク・ウエス(ts,fl)という
豪華&最強なるファンキーなJAZZを堪能した。
管楽器のファンキーで派手な演奏に対して
あの日のマルグリュー・ミラー(pf)は
観客の予想を外す 洒落たタイム感とアドリブで
どこかフランス風なエスプリの効いた粋を感じた。
◆あれから約2年後の6月3日のCOTTON CLUB で
マルグリュー・ミラー(pf)ソロを聴いた。
改めて登場シーンで巨漢に息を呑む!
2度みてもまるで岩石の塊のようなでかい風体に驚く!
しかし・・・わずか2回しか遭遇していないけれど
2年前より・・・貫禄が増したようだ。
1955年生まれ御年53歳のマルグリュー・ミラー(pf)さんは
・・・頭髪の白さが増し実年齢よりは大幅に上回ってみえた。
◆2nd 演奏曲
1.Love For Sale -Composed byCole Porter
2.Corcovado -Antonio Carlos Jobim
3.'Round About Midnight -Thelonious Monk
4.Old Falks -Willard Robinson
5.Satin Doll -Duke Ellington
6.Woody 'N' You -Dizzy Gillespie
7.Have You Met Miss Jones? -Richard Rodgers
8.Blues
9.Four -Miles Davis
Enc. Autumn Leaves-Joseph Cosma
アンコールを入れてちょうど10曲演奏だった。
予想ではフアンキーで熱くガンガン弾くのかとおもいきや
リリカルで大人のテイストのしっとりとした
優雅なスウィングがおおく演奏された。
10曲の中で一番心惹かれたナンバーは
Old Folks
詩情豊かに古き世代を偲ぶような演奏だった。
'Round About Midnightこの演奏はモンクを偲ばせるふうだった。
しかし演奏曲の中でも
Woody 'N' You この演奏は
初めから終わりまで片足で絶えず16ビートを踏み続け
球のように汗を顔から流し
一枚扉のような重厚な背中が
見る間に汗でヒタヒタとスーツの表まで
湿ってくるのが見て取れるほど
視覚的にもエネルギッシュで熱いプレイだった。
◆「温故知新を体現するジャズ・ピアニスト、マルグリュー・ミラー」
これはこの度の来日で公開された
マルグリュー・ミラーのプロフィールから拝借したものだが
なるほどうまいことをいいあてている・・・と感じた!
先回のライブでは
マルグリュー・ミラーの粋なプレイから
ジャズメッセンジャーズのサンジェルマンライブを連想させ
今回のマルグリュー・ミラーのソロから感じたのは
優雅なスウィング
・・・・となると
マルグリュー・ミラーが多大に影響を受けたという
マーサー・エリントンが率いるデューク・エリントン楽団の
スウィングあたりを連想すればいいのだろうか?
いずれにせよ
ライブに参加して生のマルグリュー・ミラーから生み出される音は
全身から醸し出す音魂に込められた音の情報には
「古(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る、以て師と為(な)るべし」
まさにこの言葉は
マルグリュー・ミラーをいい当てていると感心しきりだ!
50代 女性 神奈川県 akemin さん
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