COTTON CLUB
Live Report
2010年11月 3日 2nd show
PAT MARTINO ORGAN TRIO

昨年10月に続いての当クラブでのギグは
パットのギターが素晴らしい出来で、とてもエキサイティングだった。

「インプレッションズ」からスタートしたステージは
パットの66歳とは思えない弦さばきで一気に盛り上がる。
”粒立ちの良い”音色は色褪せるどころか、さらに艶が増した印象。

正確なピッキングが、ファンキーなオルガン(トニー・モナコ)と
パワフルだが出しゃばらないドラム(ジェイソン・ブラウン)と絡み合い
リズム感あふれる流麗なメロディーを紡ぎ出す。

このトリオはメンバーを固定して1年以上アメリカはもちろん、世界各国を楽旅しているだけあって、息はピッタリ。

アップテンポの曲は乗り乗りだし、スローもまた哀愁に溢れていて良い。
特に4曲目の「ラメント」は、会場に静寂が走るほどの清廉なメロディーライン。

パットは早弾きのイメージが強いが、バラードの表現力は他の追随を許さない。

オクターブ奏法を駆使し、同じ曲の中でスローからアップテンポへ変幻自在に
演奏パターンを変化させて行く。

本当に聴く者を飽きさせない。

6曲目の「オレオ」(ソニー・ロリンズ)がラストチューンだったが
アンコールで演奏した「サニー」がまた凄かった。

あの名盤“Live!”での伝説のソロとはまた異なったアプローチで円熟のソロを展開。
スリルに満ちた感動の演奏だった。

彼のギターには‘無駄な音’が1音もない。
総てが意味を持っている。

抜群のテクニックと豊かな表現力を兼ね備えたパット・マルティーノこそ
世界NO.1のジャズ・ギタリストだ!

(おまけ)ライブ終了後、パットのサインを貰おうと列に並んだ。
一人ひとりに丁寧に対応するパット。昨夜来日し
1st+2ndで合計2時間半以上も一人で弾きまくって疲れているはずなのに
ファンを大切にするこの姿勢。

私はその姿に、本当のプロフェッショナルの流儀を見た。


50代 男性 東京都
caramelcake さん

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