3月になって突然舞い込んで来たJoe Barbieriの来日公演ニュース。これは寝耳に水
でした。
1990年代にデビューしたJoeが、2000年代にその音楽性や歌い方をブラジルテイスト
のBossa風に変え、日本盤が数枚発売されるという幸運に恵まれることになりました
が、まさかこんなに早く初来日公演のチャンスが到来するなんて!
ドラム、ウッドベース、ピアノ、ギターというオーソドックスな編成に加え、チェロ
を加えているのが特筆するところで、このチェロがサウンド面でも重要なエッセンス
となっていました。
静かでメローな楽曲からコンサートが始まると、Cotton ClubはもうJoeの甘美な音楽
の世界!
"Normalmente(いつものように)"や"Lacrime di coccodrillo(ワニの涙)"のパ
フォーマンスは、溜息が漏れてしまいそうな素晴らしさ!
しかしそこはイタリア人、しかもNapoliっ子のJoe。次第にダンサブルなナンバーも
演奏し出し、陽気な雰囲気も醸し出してくれました。特にイタリアでも3月にリリー
スしたばかりの"Zenzero e cannella(ジンジャーとシナモン)"は、本当にゴキゲン
でした。
圧巻は、震災からの復興に励む日本人のためにと、"見上げてごらん、夜の星を"を日
本語で歌ってくれたこと(Newアルバムにも日本盤のみのボーナストラックとして収
録)。Joe自身が奏でるギターとチェロ1本のメランコリックな雰囲気の中、イタリア
人には難しいはずの"H"の発音も完ぺきに、情緒豊かな日本語で歌ってくれました。
それにも関らず、『聞き苦しかったり間違ったりしたらごめんね』と前置きしてから
歌い始めた謙虚なJoeの人柄に惹かれてしまいました。
残念だったのは、その公演日程。多くのイタリアファンは毎年この時期に定例のイタ
リア映画祭に集中するのに加え、今年は国民的人気バンドPoohの公演日と重なったの
で、Joe Barbieri公演を涙を飲んで見送った人も多かったようです。
次回はぜひ、多くのイタリア音楽ファンが多数詰め寄せる状態でJoeを日本に迎えた
いところですね。
50代 男性 東京都 YoshioAntonio
|