アコースティック・ギターは、最もシンプルな楽器の一つ。
それ故に、飾らない、素直な音色が美しい。
BRAZILIAN STOMPで始まったステージは、
この音を活かし、自然を想うような深いスケール感で展開された。
Nelson Rangellの豊かなSax、Fluteも手伝って、
優しい空間を作り出す。
MIDNIGHT IN SAN JUANなど、お馴染みの名曲が続くが、
どれもレコーディング当時とは違った、やわらかい音づくりで愉しめる。
またアコースティック・ギターは、シンプルだからこそ、
その奏法が幅広い。
特にギター1本で演奏されたALFIEでは、
美しいコードボイシングに、メロディラインが重なり、
Earl Klughの唯一無二なテクニックを目の前で観ることができた。
さらりと、軽く弾きこなす姿がカッコいい。
そしてステージは、後半に向かって一気にテンションを高めていく。
イントロだけで会場を沸かすDR. MACUMBAで、
たっぷりとアドリブを展開し、そのままアンコールのTWINKLEに突入。
Al TurnerとRon Otisのリズムセッションが活きいきとプレイする中、
Earl Klughはメロディだけでなく、粋なパッセージで曲を飾っていく。
いつの間にか、会場全体が大盛り上がりだ。
シンプルなアコースティック・ギターだけで、
様々な表現を見せてくれたEarl Klugh。
彼の魅力がぎっしりと詰まった、素敵なステージだった。
30代 男性 神奈川県 匿名希望
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