Ray Brown、Freddie Hubbard、Oscar Petersonなど、数多くの巨匠たちと共演を果たし、いまやレジェンドとしての風格を持つピアニストBenny Green。リズム・セクションに、Mike Gurrola(b)とAaron Kimmel(ds)の2人の若手を迎え、新鮮なライブを繰り広げた。
オープナーにふさわしいRonnell Bright作の"Be a Sweet Pumpkin" では、後半にかけて音を重ねる見事なストーリー展開で、観客の心を鷲掴みにした。4小節ごとにソロを交換で演奏するフォー・バースでは、メンバーがアイコンタクトを取り合いながら完璧な掛け合いを見せた。
研究熱心なBenny Greenが選んだ、若手2人の実力には圧倒された。ユーモアを交えつつ、それでもなお安定感のあるベースと無駄のない正統派のドラムは、新時代の幕開けを感じさせた。彼が尊敬するピアニストCedar Walton作の"Down Under"は、Benny Greenのキックから始まった。
コンピングやソロの間も、手や足でリズムを刻み、声をあげて演奏を盛り上げる姿は、Art Blakeyを彷彿とさせた。この曲が最初に録音された、The Jazz MessengersのMosaicのように、ライブの中盤に演奏するところも、こだわりの一つだろう。
一つ一つの音に情熱を捧げる姿は、アンコールの"Twisted Blues"で最も際立っていた。ピアノを揺らすほどの白熱した演奏は、最後まで観客を引きつけた。
男性 東京都 jazznao
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