COTTON CLUB
Live Report
2019年7月31日 1st show & 2nd show
GEOFFREY KEEZER TRIO

Ray Brown TrioやArt Farmer Quartetなどを渡り歩き、The Jazz Messengers最後のピアニストとして、数多くのレジェンドたちと共演したGeoffrey Keezer。その彼が、Richie Goods (b)、Jon Wikan (ds)の二人を迎え、ついに待望の来日公演を行った。Geoffrey Keezerの大ファンの僕は、1st・2nd Show連続で目一杯ライブを堪能した。

1st ShowはSam Riversの"Beatrice"で幕を開けた。アルバムに収録されていない曲が聴けることもライブの醍醐味であるが、自分が知っているスタンダード曲がピックアップされると、一気に鳥肌が立つ。まるで水面に広がる波紋ように、同じパターンを繰り返す美しいフレーズや、Thelonious Monkの曲のワンフレーズなどを取り入れたソロは、彼が熱心な研究家であることを物語っていた。

Geoffrey Keezer自身がアレンジした"All The Things You Are"では、ゆっくりとしたテンポを生かし、一小節ごとに歌い上げるような演奏を展開していた。2nd Showでは、曲の前半でJon Wikanがお箸を使って、ライドシンバルを小さな音で叩いていた。彼のユーモラスな演奏は、静寂にアクセントを加え、曲に静かな広がりを生み出していた。

Geoffrey Keezerは、David Bowie、Duke Ellington、John Lennon、Jimi Hendrix、Michel Legrandなど、幅広いジャンルの曲を演奏する。カナダのバンド、Rush作の"Limelight"では、Richie Goodがコントラバスをエレキベースに持ち替え、切なくも情熱的なソロを繰り広げていた。

Geoffrey KeezerとGillian Margotの共作、"You Stay With Me"は、作曲センスが光る一曲だった。神秘の世界に迷い込むような7拍子のイントロ。ピアノとベースがユニゾンでバッキングをする4拍子のテーマ。ピアノトリオでも、まるで歌が聞こえてくるような美しい演奏だった。

2nd Showでは、Wayne Shorterの"Footprint"を聴くことができた。静かなピアノソロから一転、ピアノ線を押さえながら、スピーディーなソロを弾くと、一気にテーマが始まった。ソロ中盤では、左手でピアノ、右手でキーボード、左足でダンパーペダル、右足でワウペダルと、全身を使って情熱的な演奏を繰り広げていた。盛り上がりが最高潮に達した瞬間、トリオがすっとボリュームを落とすと、再びテーマに戻り、ロック風なアウトロへ向かっていく。最後はJon Wikanがシンバルを擦り、飛び立つような不思議な音と共に演奏が終った。

今回のライブは、Geoffrey Keezerがいかに唯一無二の天才であるか、改めて証明するものだったと思う。1st・2nd連続の場合は、2nd Showに優先的に入場させてもらえるため、ピアニストの指の動きまでしっかり見える席に座ることができた。ライブ後にGeoffrey Keezerと渡り廊下ですれ違い、短いながらも会話することができた。急な質問にも快く答えて頂き、これ以上にない感動と胸の高鳴りを味わうことができた。

男性 東京都
Naoaki.M
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