春の訪れを告げる真鯛と名残の北寄貝を丁寧にマリネ。
昆布オイルの旨みをまとわせ、春の野菜とともに季節を感じる一皿に仕上げました。

★ from 菊地成孔
白身魚の昆布締めとエイジングは、今やどこでも出すものですが、オイル使いの見事さによって非常に素晴らしい仕上がりで、味の入り（はいり）がしっかりと、北寄貝の香気と歯応えの見事なバランスとなっており、アスパラ等の春野菜とのアンサンブルも絶妙です。

野菜とクリームでボロネーゼ風にした猪の肩肉に、マッシュルームとマッシュポテトのペーストを重ねたオープンラビオリ。スパイスの効いたカカオヴィネガー・ソースとの味わいの重なりをお楽しみください。

★ from 菊地成孔
オープンラビオリは、餃子のように包み込むのではなく、ハンバーガーのように、アッシュしたジビエのペーストを挟み込んだものです。猪につきもののチョコラータ風味も香ばしいソースも見事で、山菜とジビエという森の味わいをご堪能いただけます。

ココナッツペーストで12時間ゆっくりと火入れした柔らかい仔羊の肩肉に、キャベツで包んだメルゲーズを添えました。仕上げには香り高いカレーオイルを。奥行きのある味わいをご堪能ください。

★ from 菊地成孔
「メルゲーズ」はフランス語で「辛い」という意味で、マグレブ料理ですが、「羊肉のチョリソー」のようなもので、ハリッサやクミン等を練り込んだマグレブ料理です。今回はソーセージスタイルではなく、ソーセージミートをロールキャベツ式に仕上げています。羊ショルダーは12時間の低温調理による、独特の噛み心地と味わいで、当楽団のサウンドとのペアリングは最高です。

春の味わい豊かな山羊のチーズを濃厚な鶏のブイヨンスープに溶かし、コシのある稲庭の平麺と合わせました。ほろ苦い蕗のとうオイルのアクセントがクセになる〆にぴったりな一品。

★ from 菊地成孔
フレンチスタイルのコースにパスタ名義ではなく「〆」として、稲庭うどんとストロングめのシェーブルを鶏の清湯（チンタン）で溶く事で絶妙な濃厚さのスープパスタ風に仕上げ、蕗のとうのサファイア・グリーンのオイルを散らした、パスタともラーメンとも違う強くオリジナリティのある逸品で、今回の目玉の一皿になることは間違いありません。