今となっては、世間にマキタスポーツが芸人という認識はないでしょう。テレビバラエティで活躍もしていないし、大方、下積みの長かった俳優といった印象じゃないでしょうか。
さて、いつ頃からか時流のお笑いに関心が持てなくなりました。少年の頃より芸事好きでした。何より「自由」を感じたからです。でも自分が出る側に回るとテレビと目指したそれがどうもフィットしない。誰が悪いわけでもなく″なんとなく不自由な状況″なんです。次第に僕はそこから距離を置くようになりました。となると、居場所は自分で作るしかない。
この世には優れた芸事をやっている人がいます。演芸でも、音楽でもない「第三の場所」でそれを披露し合うのはいかがでしょう。ここでは毎回僕が尊敬する演者に胸を借りつつ、シンプルにネタをぶつけ合う形にしました。優れたネタはそれだけでメディアです、そして不自由で固まった価値観を壊し我々に自由を与えてくれます。何にも縛られず一瞬だけ時間からも解き放たれる、そんなひと時一緒に過ごしましょう。
マキタスポーツ
『オトネタ5』
(日本コロムビア)